春の巻 第五十三帖
どうしたらよいのぢゃ、神の云ふこときくから助けてくれと申すもの沢山でてくるが、何も六ヶ敷いこと神は申さん。現在を足場として一歩づつ進めばよいのぢゃ。それでは食って行けんと申すものあるが、神はあり余るほど与へてあるでないか。何故、手出さんのぢゃ。与へたもののみが自分のものぞ。今の人民、余っても足らんと考へて、むさぶりてゐるぞ。幸福与へてあるに何故手出さんのぢゃ。曲げてとるのぢゃ。心の目ひらけよ。ゴモク投げ出せよ。我の強い守護神どの、もう我の世はすんだぞ。我出すほど苦しくなるのぢゃ。